南天

新潟教室(ハルモニア)の玄関には、できるだけ季節の花を飾ろうと思っています。
これは、亡き祖母から遺言のように伝えられたことです。

「贅沢な花でなくとも、庭の花でも、少しでも良いから、年中
玄関の花を絶やすな」
というのが、祖母の教えです。

その言葉のとおり、祖母はいつも家の玄関に生花を飾っていました。
庭の片隅から摘んで来た質素な花でも、その花の形を上手く生かして、 実に美しく
見えるように生ける技を、祖母は持っていました。
暇さえあれば、庭を手入れしたり眺めたりして過ごしていた祖母の、花に対する愛情の現れ
だったのだろうと思います。

私には祖母のような技はありませんが、花好きはしっかりと遺伝しているようです。

玄関に花があるというのは良いものです。
「花を絶やすな」の教えは、また、どんな時も花を見たり生けたりする心のゆとりを持って
暮らしなさい、 という祖母からのメッセージでもあったのでは、と思ったりします。

今、玄関には、南天と松を中心にしたお正月の花が飾ってあります。
上手い生け花ではありませんが、季節の花に目を止めていただければ幸いです。