●薩摩琵琶 髙橋育世(髙橋紫風)
●薩摩琵琶 髙橋育世(髙橋 紫風)
新潟県長岡市出身。
長岡高校 新潟大学教育学部特別教科(音楽)教員養成課程バイオリン専攻卒。
幼少時、 TV時代劇の BGMに使われていた「音」に強く惹かれる。
後にそれが琵琶という楽器の音であることを知る。
しかし、当時、和楽器店に問い合わせなどするも、教室や、演奏者など、
琵琶についての情報に行き着くことができなかった。
大学生になった頃、新聞に掲載された佐渡在住の琵琶奏者の方に連絡をとり、
その紹介により、新潟市在住の故 五十嵐雅水師に入門、琵琶の稽古を始める。
大学生時代は、教育実習校の音楽の授業などで琵琶を演奏した。
大学卒業後は、長岡市を中心に演奏活動を行うが、バイオリン教室に専念するため琵琶の活動は休止。
2022年、大島祐輝氏のアニメーション作品「大里峠大蛇伝説(おおりとうげだいじゃでんせつ)」の
作中の琵琶の音の依頼を受けたことをきっかけに、琵琶の演奏を再開。
長い休止の後なので、当面はかつて習ったことを慎重にさらい直しつつ、
今後は、特に若い方や子どもさんたちに向けて、琵琶の良さを知っていただけるような活動を、
自分にできる範囲で行っていきたいと思っています。
20代当時、演奏会の紹介記事が掲載された新聞の写真。
●使用楽器について
四弦四柱の薩摩琵琶を使用しています。
この楽器は、私が琵琶を始めた当時、引退するのでご自身の使用していた楽器を手放そうとされていた
高齢の奏者の方から、譲り受けたものです。
若い人に譲りたいというご希望だったそうで、当時教室で最年少だった私が受け継ぐこととなりました。
正確なことはわかりませんが、この楽器は直接譲ってくださった方の世代よりも古いもので、
元々は柏崎のお坊さんの持ち物だった、と師匠から聞いています。
それを裏付けるかのように、琵琶の裏面には「弾声払妖魔」
(弾声妖魔を払う、琵琶を弾く音、歌う声が魔物を追い払うという意味でしょう)
と、不思議な言葉が刻まれています。
若い頃には少し恐いようにも思った「魔を払う」琵琶、
払わなくてはならないものがたくさんある今こそ、
また鳴らしてみようと思います。

大里峠大蛇伝説
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