髙橋育世写真



◾️高橋育世(紫風)プロフィール

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新潟県長岡市出身。  
長岡高校 新潟大学教育学部特別教科(音楽)教員養成課程バイオリン専攻卒。

幼少時、 TV時代劇の BGMに使われていた「音」に強く惹かれる。後にそれが琵琶の音であることを知り、和楽器店などに問い合わせするも、教室や、演奏者など、琵琶についての情報に辿り着くことができなかった。

1983年、大学入学の頃、新聞に掲載された、佐渡在住の琵琶奏者の方に連絡をとり、その紹介により、新潟市在住の故 五十嵐雅水師に入門、琵琶の稽古を始める。

大学生時代は、教育実習校の音楽の授業などで琵琶を演奏。
大学卒業後は、長岡市を中心に演奏活動を行うが、バイオリン教室に専念するため琵琶の活動は休止。
(号は、髙橋紫風→髙橋澪水→髙橋晴水、の順に改名。それぞれの名前で活動していた時期があります。錦心流に所属、皆伝まで進みましたが、活動休止時に水号とともに返上いたしました。 その際、師匠より、今後は髙橋紫風の名を使用するようにとの指示がありましたが、現在は本名で活動しています。)


・2022年、大島祐輝氏のアニメーション作品「大里峠大蛇伝説(おおりとうげだいじゃでんせつ)」の
     作品中の琵琶の音の依頼を受けたことをきっかけに、琵琶の活動を再開。

・2022、2023、2024年 琵琶楽演奏会(新潟琵琶楽協会主催 新潟市芸能まつり)出演。

・2024年 七糸の会(妹の新内節奏者、岡本宮弥との二人会)開始。
      7月、第一回 七糸の会「七本の糸で紡ぐ語りの夕べ」開催。新潟市:ギャラリー蔵織。

・2025年  8月、第二回七糸の会 「七本の糸で結ぶ語りのひととき」開催。新潟市:燕喜館。
       (この会の共演者は瞽女唄の金子まゆさん)


長い休止を経て琵琶の世界に戻れば、様変わりしていたことも多く、しばらくは浦島太郎のような心持ちでした。
今は、昔習ったことを慎重に復習しつつ、新しい学びにも力の及ぶ限り取り組んで行きたいと思っています。
40年前には、かつての琵琶ブームの頃の琵琶を記憶していて、懐かしんでくださる年配の方もかなりいらしたのですが、今では、年代を問わず、琵琶は初めて見るという方が大多数になりました。
また、琵琶に対して、怖いイメージ、または、難しいという先入観を持たれることも以前より増えているように思います。

今私にできることは、先ずは薩摩琵琶を知っていただくこと。
幸い私は音楽教育が専門です。琵琶という楽器を私自身があらためてしっかり研究して、
特に、子どもさんや若い方々に正確に伝え、琵琶の面白さ、良さを知っていただけるような活動を、
微力ながら行っていきたいと思っています。

髙橋育世



20代当時、演奏会の紹介記事が掲載された新聞の写真。(当時は髙橋晴水)



活動再開のきっかけとなった『大里峠大蛇伝説』


◾️使用楽器について


四弦四柱の薩摩琵琶を使用しています。
この楽器は、私が琵琶を始めた当時、引退するのでご自身の使用していた楽器を手放そうとされていた
高齢の奏者の方から、譲り受けたものです。
若い人に譲りたいというご希望だったそうで、当時教室で最年少だった私が受け継ぐこととなりました。
正確なことはわかりませんが、この楽器は直接譲ってくださった方の世代よりも古いもので、
元々は柏崎のお坊さんの持ち物だった、と師匠から聞いています。
それを裏付けるかのように、琵琶の裏面には「弾声払妖魔」(だんせいようまをはらう:弾声妖魔を払う、

琵琶を弾く音、歌う声が魔物を追い払うという意味でしょう) と、不思議な言葉が刻まれています。


追記 その後のメンテナンスで、琵琶の専門家の見立てでも、明治期以前の楽器
   ということでした。古い楽器ですが大切に使っていこうと思います。



◾️自作曲と復曲の試み

演奏画像

自作曲


・「板額御前」(2024年)
・「八丁沖」長岡城奪還 (2022年)

復曲


・「水の新潟」五十嵐雅水作(2025年)