楽器について


バイオリンの写真

◾️これから楽器の購入を考えておられる生徒さんへ

バイオリンのレッスンを始める生徒さんで、今までにバイオリンを購入した経験が豊富な人は少ないでしょう。
どんなものを、どこで購入したら良いのか?と、迷われることも多いと思います。他の楽器に無いバイオリンならではのわかりにくさもあります。これからバイオリン購入を考えていらっしゃる方へ、まずお伝えしたいことです。



◾️レッスンで使用できる楽器はどんなものでしょう?

バイオリンを習い始める時、「バイオリン」として出回っているものならどれでもレッスンに使えるだろうと考える方は多いと思います。しかし、残念ながら使えない物もあります。
ここでは、「レッスンで使用できるバイオリン」という事を前提にお話しいたします。
レッスンで使用できる楽器の条件は、このようなものだろうと思います。


1)「バイオリンとして正常に演奏可能」なもの。

2)「それを使用して、目標地点までの上達が見込める」もの。


  

では、実際に購入するのはどんなバイオリンが良いのでしょうか?

選ぶポイントの一つ目は
1)今すぐ良い状態で使える楽器。

そして、更に欲を言えば
2)少しでも長い期間不足なく、満足して使える楽器。 だと思います。


(こどもの生徒さんは数年で楽器をサイズアップして買い替えていきますので、子供用の楽器のうちは長期の使用は考慮しなくても良いと思います。)



◾️「バイオリン」にもいろいろあります

一見同じように見えますが、バイオリンという名前で販売されている物の中にも、いろいろあります。 どんな違いががあるのか?ということについて簡単に分類してみます。


1)ハンドメイドの本物のバイオリン

バイオリンは元来は職人さんがひとつずつ手作りする、ハンドメイドの工芸品のような楽器なのです。 そのような昔ながらの方法で今も作られる楽器は、とても高価なものです。 名人の作った楽器が高価であったり、「オールド」と呼ばれるような古い楽器が高価になる、というようなバイオリンは、この種類の楽器です。
このような楽器は一点もので、それぞれ条件が違うため、自分で充分に弾き比べてみたり、楽器や音楽に関する知識を持ってからでないと、選ぶことが難しいと思われます。

また、扱いに注意が必要だったり、音の出し方が繊細だったりと、 初心者の方にはかえって扱いにくい点もあると思いますので、 初心者の1つ目の楽器としてお勧めするのは現実的ではないと思います。 しかし、将来このような楽器を手にすることを目標に、練習されたり、楽器についての知識を深めて行くのは良い事だと思います 。



2)良質な量産品

工場で量産される楽器の中にも、しっかりしたメーカーで良く管理されて制作、販売 されているものがあります。一般的に、職人さんが全工程手づくりされた楽器に比べれば、安価に入手できます。 その中にもランクがありますが、ある程度長期の使用に耐えられ、レッスンに通われる間に買い替えの必要をあまり感じずに使っていけるものは、大人用の楽器で30万円くらいからです。工業製品の楽器は、一つの種類は皆同じ製品という扱いですが、木でできている楽器なので実際は個体差はあります。 ですから、信頼できるバイオリン専門店で、しっかり物を見せてもらって、出来る事なら、同じ製品もいくつか実物を見比べた上で、購入できたら理想的だと思います。 これから始められる大人の方に安心してお勧めできるのは、この種類の物です。


3)初心者用楽器

バイオリンの専門店で扱いのある初心者用楽器で、1セット(アウトフィットとして、バイオリン本体と弓、ケース、備品等セットになっています)で10万円以内くらいのもの。初心者用の楽器なので、この楽器を使用する場合は中級くらいの時期に楽器の機能の限界で買い替えが必要になります。このタイプの楽器は特に、今は様々な入手方法がありますが、バイオリンは普通に使用していても細かい不具合や故障が出て、メンテナンスが必要になることが案外あるということに注意が必要です。その時、購入したお店以外で修理を引き受けてもらえない場合もありますので、この種類の楽器であっても、何かあった時に修理まで対応してもらえる専門店で購入されることをお勧めします。子どもの生徒さん用の楽器(分数楽器)はこの種類の楽器です。


以上がレッスンに使用可能な楽器です。


4)要注意、非常に安価なバイオリンやネットでの入手

一時期、見学の方が「安いから買ってみたのですが使えますか?」とおっしゃって、一万円前後くらいの驚くほど安価な楽器を持って来られることが何度かありました。一見バイオリンに見えるのですが、とても楽器とは呼べないような問題の多いもので、残念ながら初歩のレッスンにも使用できるものはありませんでした。そのタイプは最近あまり見かけなくなりましたが、フリマサイトなどでご自分で格安の楽器を購入して持ってこられる方は増加傾向です。写真ではわからないことも多いので、使えるかどうかは賭けのようなものです。上記のような楽器だと初めから使えませんし、運よく使える楽器であっても、メンテナンスが必要な時、修理してもらえるお店があるかどうかも保証できません。 私は、生徒さんの持ってこられた楽器は、使える物は出来るかぎり使ってレッスンする方針なのですが、せっかく持っていらしても、使えない時は新たに購入していただくしかなく、とても残念な気持ちになります。無駄にならないためにも、慌てて購入されないことをお勧めします。
(体験の期間には教室の楽器をお貸しできます)


5)サイレント等の電子バイオリン

木で出来た普通のバイオリンとは「別物の楽器」と お考え下さい。
普通のバイオリンを弾ける方は、とくに問題無く電子バイオリンを弾ける場合が多いと思いますので、ある程度上達されてからの夜間の練習等には利用できます。
当教室では、電子楽器でのレッスンはお引き受けしておりません。



以上、楽器についてでした。楽器としてのバイオリンも奥深く、簡単な説明ではお伝えしきれないこともありますが、おおよそのご参考になさっていただければと思います。



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